相続対策の効果は、相続税法の改正、推定被相続人の気持ちの変化、相続人の増減、経済状況の変動などの影響を受けて不確実なものであることから、一定の前提条件を基に相続対策を組み立てることになります。また、一般個人に対する相続対策の提案では、法律・税務などに疎い人もいますので、しっかりと説明責任を果たすことが重要です。そのため、会社経営者や個人事業者などに対する説明・提案のやり方とは異なる対応が求められます。
そこで、税理士事務所が日常業務として相続業務に取り組むための入門書として、相続業務を始めるための心得や、相続対策への取組み方の留意点などについて、筆者の経験などを基に私見を交えて解説します。また、相続税の申告書のチェックポイントや、申告書様式を用いた基本の必須確認ポイントについても具体的に解説してあります。